2022 年 20 巻 p. 129-132
本研究では、大阪市景観計画において、水・緑が豊かなうるおいのある大阪らしい景観の一つとして位置付けられている中之島を対象に、水と緑の視点からの景観評価を通じて中之島らしさを探ることを目的とした。2021年10月に撮影して得られた1,804枚のうち水と緑が見える景観写真を解析対象とし、中之島内・外からの流軸景と対岸景の方向別に分類した。水と緑の出現形態を組み合わせて景観の構図を捉え、景観評価を行った。その結果、流軸景では両側の水と緑によって奥行き感のある眺望景観に加え、床面や帯状の水面が背景として緑を引き立たせている景観、対岸景では、水と緑の重畳的な景観や緑によって水面が強調される囲繞景観が中之島らしさを支えていることが分かった。