本研究では、特徴の異なるパブリック空間が同一地区内に存在する茶屋町地区を対象に、滞留利用実態を把握することで、パブリック空間の使われ方の特性を探った。滞留利用実態は、平日・休日の各時間帯に調査員によるルートセンサス調査を2021年10月に実施し、平日・休日、時間帯ごと、次いで空間種別ごとに集計して捉えた。結果、茶屋町地区のパブリック空間は、平日・休日や時間帯ごとに利用の傾向が異なり、様々な利用者層を受け入れていること、また長時間落ち着いて滞留するような利用も受け止めている空間や主に一時的な滞留を支えている空間など、空間特性の違いに応じた異なる利用が確認でき、地区で過ごす人々のそれぞれの利用目的を地区全体で受け止めていることが明らかになった。