抄録
2022年、カンボジア国政府は、アンコール遺跡の保護を目的としてアンコール遺跡群周辺地域に居住する約1万世帯に対し、アンコール遺跡公園外への移住を求めた。アンコール遺跡の保護に向けた政策は、不法居住問題への対応、移住後の支援政策、インフラ整備などの課題を明らかにしている。しかし、人々の生活に焦点を当て、移住後の居住形式や生活環境の変化については未解明な点が多い。本研究では、ヒアリング調査の結果に基づき、ルンタエク・テチョ・セン市ルンタエク開発地区において、移住前後の住居形式や生活環境を比較し、移住が人々の生活にどのような影響を与えているのか、再定住地の現状と課題を明らかにする。