2013 年 25 巻 1 号 p. 63-69
近年RAの早期診断,治療薬の進歩により軽症化が進んできている.治療においては,寛解をGoalにおき早期からTightcontrolすることが強く提唱され,RA治療は画期的に進歩し疾患予後を改善している.抗リウマチ薬においては,生物学的製剤(BiologicDMARDs)の登場で強力な治療手段を手に入れることができ,Drasticに治療戦略も変化してきおり,本邦においては,TNFα阻害薬,IL-6レセプター阻害薬,T細胞活性化阻害薬と計7剤が,現在使用可能となっている.しかし,治療コスト・長期安全性,特に感染症(肝炎,結核,皮膚など)などの課題も依然として残っている.RA治療においては,従来からの薬剤をいかに使いこなすかが重要であり,Non-Biologic DMARDs治療でも駆使すれば,臨床的寛解が十分に可能である.昨今,RA治療において新薬も登場しているが,当院では厚労省研究班EBM に基づく治療ガイドライン(2004)をベースに治療をしており,比較的活動性が弱ければ,ブシラミン,サラゾスルファピリジン,活動性が強ければ,メトトレキサ―ト(MTX)を用いている.2011年に,MTXが週16mgまで処方可能となり,第一選択としても処方できるようになったため,予後不良の例には,積極的にMTXを選択している.以上の点を踏まえ,自験例をもとに,RA治療において患者からよく聞かれる質問,特にNon-Biologic DMARDsについて,実際の診察でのやり取り風にしてわかりやすくまとめてみた.RA実地診療において一助になれば,幸いである.