2013 年 25 巻 1 号 p. 70-74
関節リウマチ(RA)の治療成績は生物学的製剤(バイオ)の登場により飛躍的に向上した.RA治療の最前線に立つ実地医においてもRA患者の苦痛を解放し,生活の質(QOL)を改善するためにバイオ治療はなくてはならないものになってきている.しかし,機関病院と異なり人員や機材に制限のある実地医ならではの工夫も必要である.取り分けバイオにより引き起こされるかもしれない重篤な副作用は自院だけで対応することは困難で,機関病院との病診連携が必須となる.また常日頃から副作用については,発現しないよう十分注意を払うべきである.また我が国ではバイオ治療の診療報酬が世界最低水準に抑えられており,加えて2010年から施行された新薬創出加算により薬価差が減少したことからバイオ治療における個人診療所の利益は大幅に抑制された.このような厳しい環境下の中に実地医がどのように適正にバイオ治療を継続すべきかにつき概説する.