臨床リウマチ
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原著
皮下注射生物学的製剤注射時の疼痛比較
茂呂 貴知
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2014 年 26 巻 2 号 p. 126-129

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抄録

目的:ゴリムマブ(GLM),アダリムマブ(ADA)およびエタネルセプト(ETN)皮下注射時の疼痛を,インフルエンザワクチン(Flu)接種時の疼痛と比較することにより数値化し,その数値を利用してバイオ製剤同士の疼痛を比較した.
対象・方法:対象はGLM群6例,ADA群5例,ETN群17例.当科外来において,Flu接種と同日にバイオ製剤の投与を行い,Flu接種時痛を1としてバイオ製剤の注射時痛が何倍(何割増)であったかを質問した.Fluの2倍程度痛みが強い場合を「2」,2割程度痛みが強い場合を「1.2」のように表現した.「薬液注入時痛」と「針刺入時痛」をわけて評価した.
結果:薬液注入時痛はADA群平均6.10,ETN群平均2.21,GLM群平均1.30であった.ADA群が他の2群に対して有意差を持って薬液注入時痛が強かった.針刺入時痛はADA群とGLM群は平均1.00,ETN群は平均1.04であった.針刺入時痛は3製剤間に有意差はなかった.
結論:ADAの薬液注入時痛が強かった原因として,ADA薬液中にバッファーとしてクエン酸ナトリウムが含まれていること,ADA薬液量が0.8mlと他の2剤(0.5ml)よりも多いことなどが考えられた.

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© 2014 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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