臨床リウマチ
Online ISSN : 2189-0595
Print ISSN : 0914-8760
ISSN-L : 0914-8760
原著
多発血管炎性肉芽腫症の経過中にノカルジア肺炎を呈した一例〜培養検査と菌種同定の重要性〜
中野 真依東 直人谷 名壺井 和幸吉川 卓宏松井 聖矢口 貴志竹末 芳生中嶋 一彦和田 恭直佐野 統
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 33 巻 2 号 p. 113-120

詳細
抄録

 68才,男性.多発血管炎性肉芽腫症(GPA)の治療中急性肺炎を発症.抗菌加療が奏功せずGPA増悪も疑われたが,気管支肺胞洗浄液(BALF)よりNocardia属菌が検出されノカルジア肺炎と診断.抗菌薬加療で速やかに改善した.起炎菌はNocardia farcinicaと同定された.ノカルジア肺炎は免疫抑制患者では致死的になりうる.診断に難渋することが多いが,BALFの培養検査が有用である.また,菌種により病状や薬剤感受性が異なるため菌種同定も重要と考える.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top