臨床リウマチ
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原著
ネフローゼ症候群を呈したⅤ型のループス腎炎にポドサイト障害を認めた一例
田村 誠朗壷井 和幸林 響子小西 弘起安部 武生吉川 卓宏東 直人松井 聖名波 正義原 重雄
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2021 年 33 巻 4 号 p. 338-344

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抄録

 33歳女性.全身性エリテマトーデスと診断,腎生検の結果classⅤであった.プレドニゾロンを開始し,血清学的には寛解していた.しかし,蛋白尿の改善乏しく,臨床的にはネフローゼ症候群を認め,腎組織の電子顕微鏡像においてポドサイト障害を認めた.タクロリムス,ACE阻害薬を開始し,蛋白尿の改善を認めた.両薬剤ともポドサイト構造の安定化に有用と報告されており,ポドサイト障害を認める症例では早期から同薬による治療介入が肝要である可能性がある.

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© 2021 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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