コンクリート工学論文集
Online ISSN : 2186-2745
Print ISSN : 1340-4733
ISSN-L : 1340-4733
コンクリート部材の有効応力の推定手法に関する研究
二井谷 教治渡瀬 博阪田 憲次綾野 克紀
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 20 巻 2 号 p. 2_27-2_37

詳細
抄録

多数のコンクリート構造物が建設され,市民生活に供されている。これらを適切に維持管理していくためには,コンクリート部材の応力度を知ることは重要な要素である。ところが,実際の応力状態は,設計で考慮した状態と差異があるため,容易にはこれを把握できない。その主たる要因は,コンクリートの乾燥収縮およびクリープに起因する内部拘束応力の存在である。そこで筆者らは,これらの時間依存挙動に起因する内部拘束応力のメカニズムおよび特性を実験的に検討し,これらを全応力から分離できる新たな推定手法を提案した。従来から提案されている応力開放法を基本にした手法であるが,測定方法などを工夫し,精度の向上を図った。供試体や実構造部材を用いて検証を行った結果,構造物の維持管理レベルを決定するために十分な推定精度であることが確認された。

著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本コンクリート工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top