コンクリート工学論文集
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硫酸による弱酸性環境における中性化の研究
米澤 敏男松藤 泰典原田 志津男小山 智幸前田 悦孝田中 恭一
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2009 年 20 巻 3 号 p. 3_45-3_57

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抄録

温泉地帯,海成地盤,下水処理施設等では硫酸による酸性によってコンクリート構造物が劣化するケースが多い。ただし,pHが3~4を下回る強酸性の環境・部位ではコンクリートの抵抗力によって耐久性を確保するのは難しく,コーティング等別の手段が必要である。むしろpH=4~5の弱酸性環境でのコンクリートの耐久性を定量的に把握することが重要であるが,従来このような環境下での耐久性の研究,特に長期の暴露実験に基づいた研究は行われてこなかった。本研究は霧島温泉地帯のpH=4~5の硫酸による弱酸性の地盤中とSO2濃度5~40ppmの大気中で15年間の暴露実験を行い,コンクリートの中性化の特性を把握したものである。また,EPMA,粉末X線回折による分析と微小硬度の測定を行い,表層部にエトリンガイトによる組織の緻密化層が形成され,中性化が抑制される潜伏期が存在することを明らかにした。さらに,これらの結果を基に中性化速度式を提案した。

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© 2009 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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