2010 年 21 巻 2 号 p. 2_25-2_33
ネット状連続繊維補強材(以下,連続繊維と略称する)を配置したRCはり供試体を作製し,連続繊維の配置形状,配置枚数およびコンクリートの強度を要因にとり実験を行った。その結果,配置形状は,かぶり内に深く分布することでひび割れ発生荷重は増加するが,降伏荷重および最大荷重は連続繊維の破断が先行するため低下すること,曲げひび割れ幅への影響は小さいことが認められた。配置枚数による影響は,連続繊維を3枚配置することで,連続繊維による引張力の負担分が増して,ひび割れを分散させ,曲げひび割れ幅を効率的に抑制させることが確かめられた。また,積層モデルの断面解析プログラムにより,ネット状連続繊維補強材を併用したはりの曲げひび割れ幅を算出できることが確認された。