コンクリート工学論文集
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中庸熱フライアッシュセメントを用いたコンクリートの耐凍害性に及ぼす凝結過程の空気量変化の影響
坂田 昇菅俣 匠林 大介橋本 学
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2011 年 22 巻 3 号 p. 3_47-3_57

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抄録

フライアッシュを用いたコンクリートの中でも,ダムコンクリートで一般に用いられる中庸熱フライアッシュセメントに着目し,コンクリートの凝結過程における空気量の変化が,気泡組織と耐凍害性に及ぼす影響を明らかにすることを目的に検討を行った。中庸熱フライアッシュセメントを用いたコンクリートは,普通ポルトランドセメントを用いた場合に比べてフレッシュ時よりも硬化後の空気量が大幅に低下する傾向にあり,これにより耐凍害性が劣ると考えられた。フレッシュ時の空気量を従来よりも大きく設定することにより,硬化後の空気量の低下を抑制し,耐凍害性を確保することが可能となった。硬化後の空気量が低下する理由としては,普通ポルトランドセメントを用いる場合に比べて中庸熱フライアッシュセメントを用いたコンクリート中の気泡がブリーディング水の流れによって破泡,合泡する可能性が示唆され,ブリーディングが多い場合にその傾向が顕著になることを実験的に確認した。

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© 2011 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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