本研究では,低レベル放射性廃棄物処分施設のうち深度約100mの地下に設置予定とする余裕深度処分施設に用いるモルタルおよびコンクリートについて,より実際の品質管理手法への反映を目指すために,フライアッシュの品質および初期の養生方法の違いが,フレッシュ性状,強度特性および実効拡散係数に及ぼす影響を,実際の処分施設の構築方法および暴露環境に近い条件にて検討した。さらに,放射性廃棄物処分施設に特有の機能より,品質・性能検査時の非破壊試験の位置付けが重要となることから,代表的な非破壊試験方法についてその適用性を検討した。その結果,本研究で使用したフライアッシュの品質変動の範囲ではモルタル・コンクリートの特性に顕著な影響は及ぼさないこと,圧縮強度はリバウンドハンマーにより既往の精度にて予測可能であることが明らかとなった。