コンクリート工学論文集
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1H核磁気共鳴法によるセメント中の微細空隙構造の経時的観察
古瀬 佑馬高橋 貴文田中 徹大窪 貴洋
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2013 年 24 巻 3 号 p. 67-73

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抄録

セメントの物性と強く関係する空隙構造の経時変化を非破壊で評価することを目的とし,核磁気共鳴法によるプロトン縦緩和時間測定をセメントペースト調製直後から72hまで20min間隔で連続的に行った。縦緩和時間の連続分布を仮定した解析を行ったところ,時間変化する特徴的な2つの緩和時間ピークが得られた。核磁気共鳴測定のセメント試料と同一条件で調製した試料に対して,窒素ガス吸着法による細孔径分布評価およびXRD測定による固相の組成分析を行った。緩和時間分布と窒素ガス吸着法により得られた細孔径分布を比較することで,セメント中のプロトン縦緩和時間は養生3日までに形成する10から50nmのミディアムキャピラリーおよび50nm以上のラージキャピラリー空隙に存在する水分子を識別できることがわかった。

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© 2013 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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