コンクリート工学論文集
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大型コンクリート円柱におけるASR表面ひび割れの発生メカニズム
鍵本 広之安田 幸弘木下 茂川村 満紀
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2014 年 25 巻 p. 201-211

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抄録

ASR表面ひび割れの発生・進展メカニズムを解明するため,乾燥-再飽和をうける大型コンクリート円柱内部の湿度やひずみの計測と表面ひび割れの観察を,また湿度とASR膨張挙動の関係を詳細に理解するため種々の湿度環境下でモルタルバー膨張試験を実施した。大型円柱は徐々に乾燥が進行し表面に非または低膨張層が形成されるが,高湿度に保たれた内部ではASR膨張の進行により非または低膨張層に引張応力が発生し,これが引張強度を上回った時に初期ひび割れが生じる。この後再飽和させると,表面ひび割れを通して表層部の湿度は急激に上昇する。このとき非または低膨張層は殆ど膨張しないが,乾燥期間に湿度が80~90%R.H.程度に保たれていた中間部分は膨張を再開し表面ひび割れが再び活発に進展することを上記実験データで明らかにした。

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© 2014 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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