コンクリート工学論文集
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自己乾燥過程における硬化セメントペーストの相対湿度予測モデル
内海 秀幸三坂 岳広茂木 弥
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2015 年 26 巻 p. 11-19

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抄録

硬化セメントペーストを対象として,練り混ぜ直後からの自己乾燥過程における相対湿度予測モデルを提案した。この相対湿度予測モデルはセメント-水系の組織構造形成モデルを基礎とし,永松らが示した水和反応進行モデル,ならびに,セメント硬化体に対する水分基準の吸着等温線を表現可能な内海のモデルを連成することにより定式化される。提案モデルにはコンクリート工学固有の工学パラメータ(水セメント比,結合水率,水和度,質量含水比等)が定数として導入されており,その最終的な数理形式は表計算ソフトでも簡便に取り扱える代数式で表現される。低水セメント比で配合された試料を対象として検証した結果,提案モデルは練り混ぜ直後からの自己乾燥にともなう硬化セメントペーストの相対湿度の時間依存変化を表現可能であることが確認された。

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© 2015 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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