2017 年 28 巻 p. 71-78
測定面の角度が表面吸水試験へ及ぼす影響は明らかではなく,コンクリートの表層品質を適切に判定できない可能性がある。そこで本研究では,表面吸水試験の正確な測定を乱す要因の影響を明らかにし,それらの影響を可能な限り排除した条件で角度の影響を検討した。その結果,コンクリートの含水率,水温と試験機材の温度差,吸水カップのゴムスポンジのクリープ変形が正確な測定を乱す要因であることを確認した。これらの要因による影響を可能な限り低減させた条件にて検討した結果,10分時点での表面吸水速度と10分間の総吸水量に着目し,t検定により測定面の角度が表面吸水試験に及ぼす影響はないことを明らかにした。