2019 年 30 巻 p. 77-84
本研究では,高炉スラグ微粉末を70%以上置換した高炉スラグ高含有セメントおよび高硫酸塩スラグセメントを用いたコンクリートの長期暴露試験を実施しており,41年経過した試験体について各種分析を行った。その結果,高炉スラグ微粉末の置換率が70%の場合の中性化深さは7~9mm程度であり,置換率が90%の場合では15mm程度であった。さらに,高炉スラグ微粉末を高含有した場合であっても普通ポルトランドセメントが30%程度含まれる場合には,未中性化部においてCa(OH)2の残存が確認され,鉄筋の防食効果が期待できるものと考えられた。