2022 年 33 巻 p. 23-32
海洋環境下における膨張材を用いたコンクリートの性状について確認するため,海中部および飛沫帯を模擬した環境にて3年間の暴露試験を実施した。試験水準は,膨張材の有無や拘束鉄筋比の程度,水セメント比の違いとし,それぞれを物理的性状やミクロ的観点から比較・検証した。その結果,海洋環境下における膨張材を用いたコンクリートの性状は,それを用いないコンクリートとほぼ同等であることが確認された。ただし,その評価をする上では,拘束鉄筋による影響が顕著であり,実構造物を想定した適切な評価が必要であることが分かった。