コンクリート工学論文集
Online ISSN : 2186-2745
Print ISSN : 1340-4733
ISSN-L : 1340-4733
超高強度域合成繊維補強コンクリートを用いたRC桁部材の実橋梁への適用に関する研究
野澤 忠明小林 裕貴佐川 康貴
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 36 巻 p. 1-11

詳細
抄録

構造物の軽量化・長寿命化が可能な超高強度域合成繊維補強コンクリート(PVA-UFC)の構造利用を目指し,実橋梁の架け替えを想定した上部工の試設計を行うと共に,試設計された桁を製造し載荷試験によって,その性能確認を行った。引張抵抗を見込んで計算を行うことで,降伏耐力を比較的精度よく予測できた。本研究では,主鉄筋に高強度鉄筋を使用し,通常よりも高い応力度の制限値を設定したが,繊維によるひび割れの抑制効果により,ひび割れ幅は耐久性上問題のない範囲に抑えられた。これらのことから,超高強度・繊維補強といった従来のコンクリートと異なる特性を持つPVA-UFCであっても,道路橋示方書に準じた設計手法を用いて安全側の照査ができ,かつ,小断面化・軽量化が可能であると考えられる。

著者関連情報
© 2025 公益社団法人 日本コンクリート工学会
次の記事
feedback
Top