都市ゴミ焼却灰を主原料としたエコセメント(EC)は間隙質を多く含む。水セメント比50%のセメントペーストではエコセメント,普通ボルトランドセメント(OPC)および低iボルトランドセメントのいずれも自己収縮は発生しなかった。水セメント比30%のセメントペーストではOPCおよびECの自己収縮は,二段階で増加した。材齢1日以前では,ECのセメントペーストの弾性率はOPCよりも低いため,ECの第一段階の自己収縮ひずみ量はOPCよりも増加した。セメントペーストの弾性率の相違には初期に生成するエトリンガイトが関係していると考えられる。第二段階の自己収縮は,アルミネート系水和物の相転移と関係しており,間隙質量が多いECの収縮ひずみ量はOPCより大きかった。セメントペーストに対するモルタルの自己収縮ひずみ量の比率は,ECの方がOPCより小さくなった。これには,ECおよびOPCペーストの弾性率の相違が関係していると考えられる。