サイトメトリーリサーチ
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総説
腸管出血性大腸菌O157と乳酸菌株の凝集形成の検討プロバイオティック活性との関係
平野 順子吉田 友昭
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2003 年 13 巻 2 号 p. 25-29

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抄録

腸管出血性大腸菌は腸管上皮細胞表面に定着することが広く知られているが,定着するだけでなく少数ながら細 胞内に取り込まれる。我々は,比較的一般的な乳酸菌であるL. rhamnosus の生菌が,その細胞内への取り込みに対して特徴的に抑制効果を持つことを明らかにした。ここでは,その効果が乳酸菌と大腸菌との凝集形成能と相関するかどうかを,数種の乳酸菌についてフローサイトメーターで比較検討した。乳酸菌と大腸菌はスキャターグラム上で異なった挙動をし,後者を予め蛍光染色しておくと凝集の程度を客観的に定量できた。しかし取り込み抑制効果と凝集との相関は認められず,乳酸菌による宿主細胞側の応答性の変化が示唆された

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