2010 年 20 巻 1 号 p. 1-5
超低流速の液体クロマトグラフィーや質量分析の機器や技術の進歩により,数年前には考えられなかった高い感度でタンパク質の網羅的な解析が可能になってきている。本稿では国立がんセンター研究所にて行われている,このようなプロテオーム解析によるがんの早期診断・個別化医療のためのバイオマーカーの開発について概説する。 Cytometryの領域とは異なるが,定量的な解析より臨床医学や生物現象を理解しようとする点で共通性があり,本誌の読者に興味をもっていただければ幸いである。