環境と安全
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大学キャンパスから排出される廃プラスチックの循環利用の促進に向けた組成調査
中谷 隼飛野 智宏辻 佳子
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2021 年 12 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

大学には、一事業者として廃プラスチックの排出者責任を果たすと同時に、先端的な活動を通して循環利用の促進や脱炭素社会の実現に貢献する社会的な役割も期待される。本研究では、東京大学の本郷キャンパスにおける廃プラスチックの組成調査を実施し、大学キャンパスから排出される廃プラスチックの循環利用の促進に向けた課題について考察した。その結果、理系部局と比べて文系部局の建物から回収された廃プラスチックには異物混入が多いことに加え、可燃ごみの中にプラスチックが多く含まれており、構成員の分別に対する意識啓発の必要性が明らかとなった。一方、実験室から排出される廃プラスチックについてはオレフィン系の樹脂の割合が高く、ゴム手袋の排出区分の変更や付着物の完全な除去を担保することによって、効率的な循環利用を目指せる可能性が示唆された。

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© 2021 Academic Consociation of Environmental Safety and Waste Management,Japan
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