Drug Delivery System
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特集 “糖尿病疾患治療におけるDDSの進歩”  編集:武田真莉子
分子修飾に基づく創薬:インスリンおよびGLP―1の分子修飾とその機能
堀籠 博亮井上 明弘森脇 紀親杉井 寛
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2016 年 31 巻 5 号 p. 423-431

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抄録

インスリン デグルデクは、1日1回投与によるbasalインスリン補充療法を可能とした。インスリン デグルデクとインスリン アスパルトの配合注は、1回の注射で1日のbasalインスリンと1回のbolusインスリンの補充療法を可能とした。インスリン デテミルは、NPHインスリンより空腹時血糖値の個体内変動が少なく夜間低血糖のリスクが低いbasalインスリン補充療法を可能とした。リラグルチドは、血糖依存性のインスリン分泌亢進というグルカゴン様ペプチド―1の薬理作用により、2型糖尿病患者に対する新しく理想的な薬剤治療を可能とした。また、グルカゴン様ペプチド―1の週1回投与に適した薬物動態特性を有するセマグルチドの臨床開発が終了しており、2型糖尿病患者においてより負荷の少ない効果的な治療法として、その承認が期待されている。

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© 2016 日本DDS学会
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