昭和歯学会雑誌
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骨, 軟骨と軟骨様骨の形態的相違
光学顕微鏡的および電子顕微鏡的研究
秋元 あずさ瀬川 和之滝口 励司佐々 竜二
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1990 年 10 巻 4 号 p. 450-456

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抄録

急速に骨が形成される顎骨歯槽縁に局在する軟骨様骨と, 骨, 軟骨の形態的な相違を明らかにする目的で, ラット新生仔の下顎骨歯槽縁に発生した軟骨様骨, 下顎体部の骨, 椎間円板の線維軟骨, および脛骨骨端板の硝子軟骨を光学顕微鏡と透過電子顕微鏡を用いて比較観察した.軟骨様骨は, 光顕的にはヘマトキシリン・エオシン染色で骨と軟骨の中間的な染色性を示し, トルイジンブルー染色では, 骨, 線維軟骨の細胞間基質の染色性とは異なり, 線維軟骨の細胞領域や硝子軟骨基質と同様のメタクロマジーを示した.透過電顕所見では, 軟骨様骨細胞は, 骨細胞や軟骨細胞よりやや大型で相互に近接して存在していたが, 隣在する細胞間は骨芽細胞のものとは異なり, 密着していなかった・その細胞内には, 骨芽細胞, 骨細胞, 硝子軟骨細胞や線維軟骨細胞と同様に, 基質合成に関与する良く発達した粗面小胞体やゴルジ装置などの細胞内小器官を有し, 細胞表面には骨細胞の突起より短く細い, 硝子軟骨細胞様の細胞突起が認められた.軟骨様骨細胞は, 周囲を線維性基質で囲まれており, この基質を構成する細線維は, 類骨や線維軟骨の基質で観察されたものと同じI型コラーゲンであった.これらのことより, 軟骨様骨は, 骨および軟骨のいずれの定型的な組織構造とも異なっていることが明らかになった.

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