昭和歯学会雑誌
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顎関節側方位単純X線規格写真の幾何学的再現性の向上
-乾燥頭蓋骨における予備的検討-
船登 雅彦古屋 良一新谷 明幸菅沼 岳史川和 忠治熊倉 由樹子岡野 友宏山中 孝昭鐘ケ江 晴秀川村 卓也滝澤 良之柴崎 好伸福原 達郎金本 恵子筒井 重行南雲 正男
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1991 年 11 巻 1 号 p. 54-59

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抄録

顎関節側方位X線写真は顎関節症患者の臨床診査の一環として撮影され, 骨形態の異常および穎頭位の診断に用いられている.また, 本法は単純X線写真なので, 比較的簡便に実施できるところから, 治療を進行していく途中および治癒後の予後判定においてもたびたび撮影されることが多い.本学歯科病院では, 従来, 顎関節部のX線撮影の際, 頭部固定をイヤーロッドのみで行う規格撮影を実施しているが, 幾何学的再現性に多少の難点があった.著者らはこの顎関節規格撮影装置に鼻根部支持棒, 後頭部支持棒および眼点 (眼窩下縁) 指示棒を頭部固定補助装置として新たに取り付け, 頭部固定法の改良を図った.また, 照射野上縁がフランクフルト平面と平行となるようにカセッテホルダーの撮影窓枠を改良し, 顯頭位計測時の基準線としてフィルム内に撮し込めるようにした.ここでは, 乾燥頭蓋骨を被写体として本法の幾何学的再現性を測定した.その結果, イヤーロッドを軸とした頭部の回転は少なく, 関節空隙の誤差は最大約0.4mm, 平均約0.1mmと少なく再現性に優れていると考えられた.

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