昭和歯学会雑誌
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Sotos症候群患者の麻酔経験
山嵜 博義五島 衣子陳 光輝岡 秀一郎久野 斉俊
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1993 年 13 巻 1 号 p. 37-39

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抄録

Sotos 症候群は, 乳幼児期の著明な発育促進, 特異な顔貌, 精神運動発達遅延などを主症状とする稀な奇形症候群である.本症候群では, 麻酔導入時の挿管困難, 腎機能障害の合併など麻酔管理上の問題点を有している.今回, 著者らは本症候群患者の麻酔管理を経験したので報告する.患者は2歳7か月の男児, 体重11.3kg.前投薬として硫酸アトロピン0.2mg, ハイドロキシジン10mgを筋注した.麻酔導入は笑気, 酸素, ハロセンのマスクによる緩徐導入とし, 筋弛緩薬を用いず経鼻気管内挿管をおこなった.麻酔維持はハロセン濃度0.5~0.75%でおこない, 浅麻酔によると思われる血圧, 脈拍の変動が見られたが, 体動はなく, その他異常なく経過した.覚醒は速やかで, 術後の経過は良好であった.

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