昭和歯学会雑誌
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正貌頭部X線規格写真の誤差について
柴田 恭典
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1993 年 13 巻 2 号 p. 168-180

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抄録

正貌頭部X線規格撮影法の撮影時の誤差を求めるために仮想PAセファロ撮影モデルを設定した.仮想被写体を左右耳桿の中心を原点とし, ±10°まで1°ずつ回転させ, 回転によりフィルム上に投影される基準点間の位置変化を算出した.その結果, 最も固定が難しいと思われるvertical rotationの変化でフィルム上の基準点は, U1で上下に最大32.7mmと変化が大きかった.基準点問距離はGo間幅径で最大1.27mm (1.24%), CG-Me間距離で最大2.87mm (2.31%) の変化を示した.角度変化については, ∠CG-Go1-Go2で最大2.32° (4.89%), ∠CG-Go1-Meで最大19.22° (25.32%) の変化を示した.このことから, PAセファロを利用する際には, 基準点の位置は誤差が大きく, 基準点間距離については, CG-Meのような垂直的線分よりもGo1-Go2のような左右対称な基準点の幅径の方が計測項目として誤差が少なく, 角度計測については正中からの点 (例えばCG) と左右同名点を選べば角度計測の誤差が少ないことが判明した.

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