昭和歯学会雑誌
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台湾学童の頭顔面部成長の人類学的研究-特に脳頭蓋における段階的成長について-
蘇 志鵬
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1993 年 13 巻 2 号 p. 181-193

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抄録

台湾在住の高山族の中から, パイワン族, アミ族, ブヌン族, タイヤル族と漢族の学童の生体計測値のうち, 頭長, 頭幅, 頬骨弓幅, 形態学顔高について分析して, 欠田らの日本人の頭顔面部の段階的な成長が台湾高山族にも見られるか, 否かを検討した.その結果, 1.頭幅の成長にはすべての群に段階性があり, 頭長では, 半数以上の群に認めうる.顔面頭蓋の計測値には段階性は認められない.2.段階的成長様式では2段階に分かれる様式が3段階のそれより多い.段階は特異型といえる.3.段階性の出現には性差は認められない.4.頭幅は加齢的増大の程度が低く, これが頭幅成長の段階的成長の群数の増加につながる.5.頭部計測値の成長の段階性は各種族を通じて出現し, その分析には精密なる計測数値が要求される.

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