昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
Print ISSN : 0285-922X
ISSN-L : 0285-922X
若年者における歯周疾患の発現と成因に関する疫学的研究
(第1報) 男子高校生の歯周疾患の実態
島田 幸惠鈴木 康生河田 正江湖城 秀久高橋 真朗向山 賢一郎山下 登佐々 竜二宮下 元長谷川 紘司
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 14 巻 1 号 p. 9-19

詳細
抄録

小児期, 思春期の歯周疾患の罹患状況を把握するとともに診査方法の確立を目的として唾液潜血反応, Massler&SchourによるPMA Index, Sillness &LöeのPlaqueIndexおよびC, PJ.T.N.を用い検診を行った.対象は, 川崎市内某私立男子高校生634名である.唾液潜血反応では, 約20%の者が明らかな出血傾向を示した.PMA指数では, ほとんどの者が, また, C.PJ.T.N.では, 97.5%の者が, 何らかの歯周疾患を有していた.これら各診査項目間には関連性が認められた.C.P.I.T.N.による治療必要度では, すでに, 7割弱の者に何らかのプロフェショナルケアーが必要であり, また, その割合も学年が上がると増加する傾向がみられた, 評価方法としては, 前歯部の炎症でみるPMA指数や, 唾液潜血反応でも, ある程度の口腔内状態を把握することができた.C.P.I.T.N.は, 口腔全体の状態および治療必要度も一度に捉えられ, 各コード間にも有意な差がみられた.この時期, 7割弱の者がすでにプPフェショナルケアーを必要としていたので, 歯肉炎というより歯周疾患の診査を行えるC.P.J.I.N.がより有用と思われた.

著者関連情報
© 昭和歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top