昭和歯学会雑誌
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マウスガード装着による全身および顎口腔系の生理的変化
依田 慶正鈴木 潔芝 〓彦
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1996 年 16 巻 4 号 p. 403-411

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抄録

マウスガードによる咬合挙上と運動時の全身の筋力との関係について多関節運動時の筋力の測定が可能なエリエール・マシーンを用いて検索した.さらに, マウスガード装置時と非装着時における噛みしめ時の咀嚼筋の生理的な変化をみる目的でサーモグラフィーとレーザードップラー血流計を用いて皮膚表面温度と血流量の測定を行った.その結果, 力を入れる時, 噛みしめる者はマウスガード装着時最大出力において増加傾向, 一方噛みしめない者はマウスガードを装着時ほとんど無変化か, あるいは減少傾向を示した.そのうち有意差があったのはベンチプレス (Up) では増加した者1名で, 減少した者1名であった.ベンチプレス (Down) では増加した者2名, 減少した者1名であった.スクワットでは増加した者1名, 減少した者も1名であった.血流量の変化幅はマウスガード非装着時, 噛みしめ終了直後に2名の被験者が増加し, 他の2名の被験者はほとんど変化しないか, 減少した.30秒後では全ての被験者が0秒後より減少し, 60秒後では逆に安静位に近づくよう増加した.マウスガード装着時, 全ての被験者が噛みしめ終了直後の0秒後には増加がみられ, 30秒後には減少した.マウスガード非装着時の温度変化は2つのグループに分かれた.1つは最大噛みしめ後, 30秒まで温度が低下し, その後上昇を示すグループであり, もう1つは最大噛みしめ直後に温度が上昇し, その後30-60秒は低下を示し, 60-120秒ではまた上昇を示すグループであった.一方, マウスガード装着時の温度変化は1名のみ若干の低下傾向を示したが, その他の3名の変化度はそれぞれ異なるものの安静位よりも温度が上昇する傾向を示した.

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