昭和歯学会雑誌
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強電解酸性水の歯科領域への応用に関する研究
小花 照雄芝 〓彦酒井 敏博
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1996 年 16 巻 4 号 p. 412-426

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抄録

強電解酸性水は上水に極微量の食塩を添加して隔膜を介して電気分解して陽極より得られる水である.この強電解酸性水の歯科領域への応用を目的として基礎的検索を行った.殺菌効果試験は細菌31種410株, 真菌5種63株を用いて行った.グラム陽性菌では芽胞形成菌であるB.subtilisを除くすべての細菌は10秒で死滅した.真菌ではA.benhamiaeは30秒を要したが, その他の細菌は10秒で死滅した.環境分離株ではA.fumigatusは60秒でほぼ100%死滅した.いずれの菌においても対照とした次亜塩素酸ナトリウムよりも良好の結果を示した.保存方法では密閉遮光-20℃が最も良好であった.ヒト上皮角化細胞の強電解酸性水に対する生存率は生理食塩水, 蒸留水と比較するとその減少率は大であった.強電解酸性水の歯科用金属に対する影響では金合金の光沢度の急激な低下, 金銀パラジウム合金, コバルトクロム合金にもわずかな低下が認められたが, チタンは変化を示さなかった.これは金属イオンの溶出によるものと考えられた.手指の洗浄・消毒効果は手袋着用して, 前洗浄には石鹸水を使用したのち, 強電解酸性水で洗浄する方法が最も有効な方法であることがわかった.以上の結果よりスーパーオキシードラボにより生成される強電解酸性水は歯科治療への応用が可能であることが示唆された.

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