昭和歯学会雑誌
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骨誘導因子の担体に関する研究
奈良 日出男木野 淳芝 〓彦
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1997 年 17 巻 3 号 p. 246-254

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抄録

顎骨の回復再建には種々の生体材料および人工材料の適用がこれまで試みられている.骨誘導因子 (BMP) はそれらの材料と混合して用いられているが顎骨の回復, 再建に有用であるとして現在, 注目を集めている.我々は, これまでに効率の良いBMPの応用法を検討してきた結果, 顎骨の回復, 再建にBMPを適用する場合, BMPの局所で拡散を防止するための適切な担体が必要であることが判明した.本研究では, BMPによる異所性骨形成を効率良く促進できる担体を開発することを目的として以下の実験を行った.BMPは山之内製薬より供与されたrecombinant humanBMP (rhBMP) を用いた.担体は高分子炭化水素としてスクワラン, Tz oil, 流動パラフィンを用い, 高分子生体物質としてヒト胎盤より精製したIV型コラーゲンを用いた.実験方法はrhBMPを担体と混合し, ゼラチンカプセルNo.4に封入したのち4週齢のSD系ラットの大腿部筋嚢に埋入した.埋入2週後に移植部を摘出し, 軟X線写真撮影を行い, さらに, 非脱灰切片を作製して組織学的に検索した.その結果, 骨形成はIV型コラーゲンを担体とした場合が最も良好で, 不透過像の大きさは約4×3mmであり, 高度に石灰化していた.他の担体を用いた場合, 不透過像の大きさは約2×1mmと小さかった.これらの結果から基底膜成分であるIV型コラーゲンがBMPの担体として有用であることが明らかになった.基底膜の構成成分の1つであるIV型コラーゲンがrhBMP-2の担体として効率良く骨形成を増加させたのはIV型コラーゲンが移植部への毛細血管の新生および侵入を促進した可能性およびIV型コラーゲンとBMPの結合能が高いためBMPの拡散を防止していることを示唆している.

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