昭和歯学会雑誌
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シリンダー形状インプラント埋入孔形成用切削主具の基本性能について
宮崎 隆李 元植藤森 伸也
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1997 年 17 巻 4 号 p. 377-382

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抄録

シリンダー形状インプラントの埋入孔の精度は, インプラント治療の成功のための重要な要因である.我々は新しいチタン製シリンダー形状インプラントシステムとしてIAT Fit IIインプラントシステムを開発したが, 本システム用に一連の埋入孔形成用切削工具, すなわちパイロットドリル (直径1.6mm), ツイストドリル (直径2.75mm), カウンターシンクドリル (直径3.6mm), そしてキャノンドリル (直径3.8mm) を開発した.本研究の目的は, これらのドリルの基本性能, 特に切削性と切削精度を検討することである.コントロールとして, 我が国のインプラント工具メーカーに, 市販品と同等の技術水準で同寸法に製作依頼をした, ツイストドリル, カウンターシンクドリルおよびキャノンドリルを用いた.各ドリルを小型のマシニングセンターに取り付け, アクリル樹脂板に対して回転数1000rpm, 送り速度100mm/min, 切削深さ8mmの孔加工を行った.ドリルの直径と加工後の孔の直径差を求め, 加工精度を評価した.また, 4成分切削動力計を用いて, 切削時に被削材のX, Y, Z直交3成分に生じる分力, および回転方向の分力を測定した.被削材としてアルミニウム板も用い, 送り速度200mm/minで同様の切削力を測定した.実験の結果, 今回の切削力の測定は工具の切削性や切削精度の評価に有用であることが認められた.埋入孔を形成する際に, 直径の小さいドリルから順番に拡大していく方法は, 切削性と切削精度を向上するのに有効であった.IAT Fit IIのドリルでは, 特にカウンターシンクドリルとキャノンドリルの性能がコントロールよりも優れていた.とりわけ最終のキャノンドリルの加工精度が硬さの大きいアルミニウム板に対しても非常に優れていたため, 臨床の骨切削においても有用性が高いと期待される.

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