昭和歯学会雑誌
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新規に開発した骨切削用窒化チタンコーティングドリルの切削性とその耐久性
宮崎 隆李 元植藤森 伸也
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1997 年 17 巻 4 号 p. 383-387

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抄録

本研究の目的は, 新規に開発した骨切削用パイロットドリルの切削性とその耐久性を評価することである.このドリルは表面に窒化チタンコーティングを施していることが特徴である (以下, TiNドリルと略す).コントロールとして同じ用途に用いられる市販のパイロットドリルを用いた.各ドリルを小型のマシニングセンターに固定し, 被削材としてアルミニウム板を用いて, 回転数1000rpm, 送り速度20mm/min, 切削深さ8mmの条件で孔加工を行った.切削動力計を用いて, 切削時に被削材に生じた直交3成分並びに回転方向の分力を検出した.孔加工は同じドリルを用いて繰り返し100回まで行った.その結果, TiNドリルは100回まで切削精度が著しく高く, また少なくとも90回まで切削性の持続力が優れていることが判明した.一方, コントロールは切削性に劣り, かつ切削性の持続力がはるかに劣っていることが認められた.SEM観察の結果, コントロールでは刃先が大きく磨耗している像が認められた.これらの結果から, 新規に開発したTiNドリルは, ドリルの工具鋼の種類, コーティング, 刃の形状等に工夫を凝らしているので, 高い切削性とその持続力が得られたと考えられる.

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