昭和歯学会雑誌
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口腔トリコモナスが保有するcysteine proteinase遺伝子の部分塩基配列の解析
山本 綾子浅賀 恵美子秋山 悦子五十嵐 武後藤 延一
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1998 年 18 巻 1 号 p. 60-70

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抄録

口腔トリコモナス (Trichomonas tenas ; T.tenax) を特異的に検出するDNAプローブあるいはT. TenaxのcDNAライブラリーからcysteine proteinase (CP) 遺伝子を保有するクローンを選択するためのプローブを開発する目的でCP遺伝子断片をクローニングし, その塩基配列を決定した.まず最初に, 各種の原虫が保有するCPのアミノ酸配列をアライメントし, その保存領域から2種類の混合プライマーを作成した.次にこれらのプライマーを使ってT. tenaxの染色体DNAを鋳型にしてpolymerase chain reaction (PCR) を行い, 得られた約550bpサイズの断片をpGEM-Tベクターにクローニングしてクローンを150個分離・選択した.それぞれのクローン化した断片の塩基配列を決定すると498-513bpであった.その配列から推定アミノ酸配列に変換すると, stop codonが含まれないクローンは26個であった.26個の塩基配列を相互に比較すると3グループに分類できた.各グループのアミノ酸配列を他の真核生物由来の各種のCPファミリーすなわちpapain, ヒトのcathepsin BとL, ならびにT. vaginalisE. histolyticaが保有するCPのアミノ酸配列と比較したところ同じ属であるT. vaginalisのCPアミノ酸配列と高い一致率 (75-79%) を示した.以上の結果ならびに得られたクローンがいずれもCP特有の保存領域のアミノ酸配列をもつことから, PCRで増幅して得られた断片はT. tenaxのCPをコードするものと推定された.

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