1999 年 19 巻 3 号 p. 246-255
矯正臨床における, 抜歯治療か, 非抜歯治療かの判定に対しては既存の抜歯基準に照らし合わせて判断することが基本となるが, 患者の意向や治療終了時の顔貌イメージ等の問題も併せて検討するため, 現実的にはその判定作業が難しくなることが少なくない.今回, 抜歯による治療が望ましいと診断されたものの, 患者の希望により非抜歯で治療を行い, その後, 再度抜歯による治療を行った2症例を経験したので, その治療結果ならびに経過を報告する.また併せて治療方針決定についてどのような点に留意すべきかを検討したので報告する.