昭和歯学会雑誌
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顎下部に生じた多形性腺腫の2例について
青木 慎一郎大野 康亮大澤 毅晃斉藤 健一吉田 広道 健一上野 正立川 哲彦
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1982 年 2 巻 1 号 p. 62-69

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抄録

大小唾液腺に原発する唾液腺腫瘍には, 臨床的, 病理組織学的に問題点のある疾患が多い.そのうちでは, 多形性腺腫が最も多いが, 顎下腺, 舌下腺に由来するものは, 比較的少ない.われわれは, 顎下腺に発生した多形性腺腫の2例を経験した.症例1は, 25歳, 男性で, 右顎下部に小児手拳大の腫瘤があり, 症例2は, 36歳, 男性で, 右顎下部に鶏卵大の腫瘤がみられた.いずれも徐々に増大の傾向を示し, 無痛性, 可動性, 弾性硬で, 唾液腺造影所見では, 腺体の圧排像を認めた.手術は右顎下腺を含む腫瘍全別出術を施行した.手術材料を病理組織学的に検索したところ, 右側顎下腺多形性腺腫と診断された.術後, 症例1は3年目, 症例2は2年目の現在, 再発はなく, 経過は良好である.予後は一般に良好とされているが, 再発, 悪性化の可能性もあるので, 手術材料についての綿密な病理組織学的検索と, 長期にわたる経過観察が必要と考える.

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