昭和歯学会雑誌
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歯周疾患を伴う骨格性下顎前突症治療の一治験例
近藤 裕敏久保田 雅人槇 宏太郎柴崎 好伸
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2000 年 20 巻 1 号 p. 95-102

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抄録

本症例は, 反対咬合の改善を主訴として来院し, 下顎の過成長に起因する骨格性下顎前突のため, 外科矯正治療の適応と診断された.しかし重度の歯周疾患を伴っていたために, 即座に矯正治療を開始せず, 患者の理解を得て紹介医のもとで歯周疾患に対する初期治療を十分に行い, 術前矯正治療を開始した.また紹介医と連携し咬合性外傷歯等の再補綴を随時行った.外科矯正にてANB角が-2.7°から2.8°へ改善され, 反対咬合及び顔貌の改善ともに良好な結果を得ることができた.十分な歯周治療および管理により歯周疾患の増悪を招くことなく術前・術後矯正を終了したが, 咬合の再構築および歯周疾患への対処についてその概要を若干の考察を加えて報告する.

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