昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
Print ISSN : 0285-922X
ISSN-L : 0285-922X
GFP遺伝子導入した培養歯根膜細胞の生体内動態
本宮 勇人
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 21 巻 2 号 p. 259-266

詳細
抄録

近年ティシュ・エンジニアリングの技術の進歩により, 培養細胞の移植を用いた組織再生に関する研究が数多く行われるようになった.しかしながら, 生体内への培養細胞の移植は一般的に移植場となる組織の構成細胞と同種の細胞を用いるために, 移植細胞が生体内で生着, 増殖, 分化しているかは不明である.そこで本研究は, 移植した培養細胞が生体内で生着し得るか否か, また, 緑色蛍光タンパク質 (GFP) が移植細胞の細胞標識マーカーとして有効であるかどうかを明確にすることを目的として, その遺伝子を導入した培養歯根膜細胞を骨組織中に移植し, 移植場での経時的な細胞動態に関する形態学的な検討を行った.ウィスター系ラットの上顎切歯歯根部か皇得た歯根膜培養細胞にGFP遺伝子を導入し, この培養歯根膜細胞をコラーゲンゲル内にて三次元的に培養した.歯根膜細胞含有ゲルをラット頭蓋に移植し, 0日, 1日, 3日, 5日, 7日, 14日, 21日, 28日後に屠殺した.その後, 通法に従い凍結標本を作製し, 生体内でのGFP導入歯根膜細胞の動態を組織学的に観察した.GFP遺伝子導入細胞とGFP遺伝子非導入細胞を移植した両群において, 骨組織の新生量に有意な違いは認られなかった.また, GFP遺伝子導入細胞群は全ての実験期間においても蛍光顕微鏡により観察できることから, 移植細胞におけるGFP遺伝子の導入は移植細胞の動態を観察する上で有効な細胞標識の手段になり得ることが示唆された.

著者関連情報
© 昭和歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top