昭和歯学会雑誌
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オゾンジェルの殺菌効果について
新實 一仁金石 あずさ芝 〓彦塚崎 弘明岩佐 文則平田 智秀
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2004 年 24 巻 2 号 p. 103-109

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抄録

オゾンジェルを歯科領域で応用するため, 各種の微生物を用いて, 生成後24時間以内のオゾン濃度の異なる3種類のオゾンジェルと強電解酸性ジェルハードタイプの殺菌効果の比較および生成後24時間以内のオゾンジェルと生成後2か月間室温中に保存したオゾンジェルの殺菌効果について比較検討を行った.オゾンジェルの殺菌効果は10 ppmオゾンジェルでは作用直後E.. coli, P.aeruginosa, S.mzatans, B.subtilis, C.albicansの5菌株に殺菌効果が認められ, 検出限界以下の殺菌効果を認めたのがC.albicansのみであった.作用時間6時間経過後はE.coli, K.Pnezamonine, P.aeruginosa, S.mutans, S.aureus, C.albicansの6菌株に検出限界以下の殺菌効果が認められた.この殺菌効果は強電解酸性ジェルハードタイプよりやや優れていることが判明した.100ppmオゾンジェルでは10 ppmオゾンジェルと比較して殺菌効果は大きく, 1000ppmオゾンジェルではE.. coli, K.Pnezamonine, P.aerzaginosa, S.mUtans, S.aurezas, MRSA, S.epidermidis, C.albicansの8菌株に対して作用直後に検出限界以下の殺菌効果が認められた.生成後24時間以内のオゾンジェルと生成後2か月室温保存したオゾンジェルでは作用時間にかかわらず, E.coli, S.azarezasに対しての殺菌効果には相違が認められなかった.以上の結果から, オゾンジェルは即効性, 持続性の殺菌作用を有することからその応用範囲は拡大し, 臨床における応用に関しても有用であることが示唆された.

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