昭和歯学会雑誌
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キャスタブルセラミッククラウンの内部応力に接着性レジンセメントが及ぼす影響について
波多野 浩之平田 智秀石川 俊哉川島 玄登丸谷 善彦芝 〓彦
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2004 年 24 巻 2 号 p. 139-152

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抄録

近年臨床に応用されてきているキャスタブルセラミッククラウンは審美性, 生体親和性に優れ, 低熱伝導性, ロストワックス法により製作することができる長所を有しているが, 一方強度の不足により破折が生じるという問題が指摘されている.そこで今回我々は, キャスタブルセラミッククラウンの強度に接着性レジンセメントの硬さが影響を及ぼすかどうかを明らかにすることを目的として, 三次元有限要素法を用いて応力解析を行った.応力解析モデルは右側下顎第一大臼歯が存在する下顎骨標本を用いた.キャスタブルセラミッククラウンはキャスミッククラウンを想定して, 合着材はヤング率が異なる接着性レジンセメントを想定した.荷重点は頬側咬頭の外斜面および咬頭頂, 荷重方向は歯軸方向, 頬側20°方向および舌側20°方向に変化させた時のキャスタブルセラミッククラウン, 支台歯, 周囲組織に生ずる内部応力の差異について三次元有限要素応力解析法を用いて比較検討を行った.以上の結果から次の結論を得た.1.キャスミッククラウンに生じる引張応力は荷重点および測定点が変化すると, セメントのヤング率の大きさによる影響は変化した.2.荷重点が同じでも荷重方向が変化するとキャスミッククラウンに生じる引張応力はセメントのヤング率の大きさによる影響が変化した.3.臨床ではキャスミッククラウンは合着するセメントのヤング率が大きいほど破折の危険が小さくなることが示唆された.4.セメントのヤング率が大きい方がヤング率が小さいものより歯髄周囲象牙質部に与える影響は小さいことが示唆された.5.歯根膜ではセメントのヤング率の大きさによる影響は少ないことが示唆された.

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