昭和歯学会雑誌
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研修医担当患者に関する調査
第1報 昭和大学歯科病院総合診療歯科における初診患者の動向との比較
池田 亜紀子勝部 直人長谷川 篤司
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2007 年 27 巻 4 号 p. 284-289

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抄録

2006年度からの臨床研修必修化と同時に, 本病院における研修医数は従来までの倍以上となり, 研修システムの改革, また, 研修施設の増加などで対処しているものの, 病院全体の患者数に変化のないことから, 臨床研修医の担当する患者が相対的に少ない状況となっている.本研究では, 今後の研修医担当患者の確保のための資料とすることを目的として2003年4月から2006年3月までの3年間に昭和大学歯科病院総合診療歯科を受診した新患患者の, 初診時年齢, 性別, 初診時医療面接により得られた疾患について調査した.さらに, 研修医が担当した患者についても同様の調査を行い, 病院全体の動向との違いについて検討し以下の結果を得た.総合診療歯科での初診医療面接を経験した患者総数のうち研修医に配当される割合は約18%であった.男女比に関しては総合診療歯科に来院した新患患者総数と研修医配当患者総数に違いはなく, 女性が男性の1.5倍多く来院しており, 女性は20代, 30代, 50代の順に, 男性では20代が一番多く来院していた.さらに月別の新患患者の割合に関して, 総合診療歯科で医療面接を行った新患患者総数では12月が1年間の新患患者の6.0%で最も少ないほかは年間を通してほぼ一定していた.一方研修医に配当された患者では5月, 6月がそれぞれ1年間の新患患者の13.5%, 12.3%を占め, 3月が4.3%と最も少ない結果となった.疾患別では, 研修医に配当された患者では, う蝕・WSDが39.6%と圧倒的に多く慢性歯周炎が19.2%, ついで有床義歯, 根尖性歯周炎の順であった.これに対して総合診療歯科に来院した新患患者総数の結果ではう蝕・WSDが23, 5%と最も多く, 慢性歯周炎が17.1%ついで根尖性歯周炎, 有床義歯の順であった.根尖性歯周炎の割合は総合診療歯科来院新患患者総数と比べて研修医に配当された患者数では明らかに低い.根尖性歯周炎を主訴として来院する患者の多くは急性症状を伴っており, 1年次研修医では急性症状を有する患者には適切な対応がしにくい場合が多い.また総合診療歯科では研修医がすべての初診患者に対し, 治療計画立案のための資料採得を行うため, 初診時に急性症状のある患者は配当しにくいという現状があるが, これらは経験すべきことであり, 急性症状に対応できる能力を有する指導医, 協力医の数の充実が望まれる.

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