昭和歯学会雑誌
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4-META/MMA-TBBレジンの保存修復への応用
伊藤 和雄東光 照夫千葉 幹男和久本 貞雄
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1983 年 3 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

歯質および金属のいずれにも強力に接着するという特徴をもっている, 4-META/MMA-TBB系レジン材料は, 矯正用ダイレクトボンドシステム, 金属床用レジンとして応用され, さらには冠橋義歯分野においても支台歯形成を行わず, 薄い金属ブリッジを調整し, その合着材料としての臨床応用が試みられている.中林らは, この材料の歯質, 特に象牙質に対する接着性は, 酸処理された歯質内に浸透したレジンが硬化し, 歯質表層に歯質と高分子材料が一体となった層 (樹脂含浸層) が形成されることによると報告している.さらに接着力を向上させるには, 広く行われている40%リン酸にかわり, 3%塩化第2鉄を含有する10%クエン酸処理のほうが有効であると報告しており, 歯髄刺激をも減少させることも可能であると推測される, この酸処理法は, 十分に応用可能な技法であると考えられる.しかしながら, 4-META含有材料を修復材料として応用するにはさらに何らかの改革が必要であり, 今回筆者らは, 4-META含有材料をボンディング材として用い, 以下のような基礎的な研究を行った.1.酸処理歯質内に侵入したレジンタグの観察, 2.酸処理象牙質への接着力試験, 3.破断面像の観察.

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