昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
Print ISSN : 0285-922X
ISSN-L : 0285-922X
咬筋肥大症の手術経験
吉屋 誠筒井 重行林 洋紀和田 明木村 義孝南雲 正男吉村 節
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 5 巻 1 号 p. 55-61

詳細
抄録

咬筋肥大症は審美的障害のほかに, ときには開口障害, 咀噛障害, 顎関節障害などの機能障害を伴う疾患で, 1880年Leggが最初に報告したが本邦での報告は数例にすぎない.われわれは最近本症の2症例を経験したので報告する.症例1は22歳男性で両側下顎角部の無痛性膨隆が認められた.両側咬筋肥大症の診断のもとにObwegeser-Beckers法による外科的整形手術を施行した.症例2も22歳男性で左側下顎角部の膨隆を認め, 左側咬筋肥大症の診断のもとにObwegeser-Beckers法により左側咬筋を切除した.今回われわれは咬筋肥大症の2症例に遭遇し, 口内法によるObwegeser-Beckers法整形手術を施行した.下顎角部の骨の突出を認める症例1では骨削除も行い, 骨の突出がない症例2は咬筋切除のみで良好な結果が得られた.

著者関連情報
© 昭和歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top