昭和歯学会雑誌
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Cornelia de Lange症候群の一症例の歯科的所見
内田 武井上 美津子向井 美恵鈴木 康生佐々 竜二須永 進
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1985 年 5 巻 2 号 p. 160-166

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抄録

CorneliadeLange症候群は, 特異な顔貌, 発育障害, 知能障害, 多数の奇形を伴ったまれな疾患で1933年CorneliadeLangeによって報告されて以来, 300余例の報告がある.著者らは, 本症候群の1例を経験したので, 歯科的所見を中心に検討した.患児は5歳9ヵ月女児であり, 発育障害, 精神発達遅滞, 特異な顔貌を認め, 上肢第5指内轡, 猿線の存在などを認めた.顎顔面は, 全体的に著しく劣成長であり, プロフィログラムによる比較では2歳児相当であった.乳歯の歯数, 歯冠形態, 永久歯胚の数などに異常は認められなかったが, 歯年齢に遅れがみられた.また手根骨による骨年齢の推定でも遅れがみられた.口蓋裂および高口蓋はみられず, 口蓋は逆に浅い傾向を示していた。口腔内には多数にわたるう蝕が存在し, 歯肉炎および歯肉退縮も認められた.

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