1986 年 6 巻 2 号 p. 106-113
レジン系のセメントを2級インレーの合着材として使用した時の接着強さ, およびレジン系のセメントで合着したのちに脱落した2級インレーの再合着の効果について実験を行った.ヒト抜去上顎小臼歯に規格化した2級窩洞を形成し, インレーを12%金銀パラジウム合金により調製後, リソ酸亜鉛セメントとしてエリートセメント100, レジン系のセメントとしてケミエース, スーパーボンドC&B, パナビアEXで合着した.24時間水中保管後, 接着強さを知るために引っ張り試験を行った.また脱離したインレーを同種のセメントにて再合着したのち, 1回目と同様に引っ張り試験を行った.その結果各レジン系のセメントで合着したインレーの接着強さはリソ酸亜鉛セメントより高く, 統計学的に5%の危険率で有意差が認められた.また再合着後の接着強さは各種セメントとも1回目の値と統計学的に有意差は認められなかった.