Dental Medicine Research
Online ISSN : 2186-540X
Print ISSN : 1882-0719
ISSN-L : 1882-0719
犬歯の埋状および小臼歯の転位を伴うAngle II級1類の一症例
土岐 泰弘愼 宏太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 28 巻 3 号 p. 175-179

詳細
抄録

患者は, 初診時年齢12歳9か月の女性で, 上顎右側犬歯の埋伏および左側第二小臼歯の舌側転位をきたしたAngle II級症例である.上顎右側第一小臼歯および左側第二小臼歯を抜去し, 同時に右側埋伏犬歯には開窓を行い自然萌出を試みた。そして, 埋伏犬歯の萌出を確認し, マルチブラケット装置による治療を開始した.また, 捻転した左側第一小臼歯の咬頭干渉により下顎は左側に偏位をきたしていた.そのため, 早期にこの捻転を改善することにより, 安定した顎位を確保することに留意した.その結果, 動的治療終了後2年を経過した時点においても, 安定した機能的咬合を維持しているものと考えられた.

著者関連情報
© 昭和歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top