日本皮膚科学会雑誌
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抗イディオタイプ抗体を用いたメラノーマ患者血清における抗HWM・MAA抗体の新しい解析について
中村 猛彦影下 登志郎荒尾 龍喜山崎 直也石原 和之
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1990 年 100 巻 11 号 p. 1121-

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抄録

High molecular weight melanoma associated antigen(HMW・MAA)はメラノーマ組織の85%以上に存在するが,正常組織では毛嚢などのごく一部しか存在せず,細胞膜からsheddingされることが少ないため免疫病理組織の分野のみならず,immunoscintigraphyやimmunotherapyなど臨床面で広く応用されるヒトメラノーマ関連抗原のひとつである.しかし,本抗原の担癌生体におけるimmunogenicityについての検討はあまりなされていない.今回我々は抗イディオタイプモノクローナル抗体を用いた新しいアッセイシステムにより,メラノーマ患者血清中の抗HMW・MAA抗体の検索を試みた.その結果,我々の用いたinhibition assayは従来検出されないと報告されていた抗HMW・MAA抗体の産生を一部の患者血清中に証明することができた.別に行った組織中の抗原の検索とあわせて検討すると,抗体の産生は病期によって異なり,今後本アッセイシステムによる抗メラノーマ抗体の検索の患者の予後や治療効果の判定に情報をもたらすものと考える.

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© 1990 日本皮膚科学会
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